Shirobara Staff Blog

第1回:組合獣医師の仕事とは

大山乳業には、酪農家と一緒に牛の健康を守る「獣医師」が所属しています。
あまり知ることのない「大山乳業の獣医師」について、
普段の仕事内容や、やってて良かったと感じること等全3回に分けてご紹介していきます。
第1回目の今回は「組合獣医師の仕事とは?」についてです。


topics
■ 仕事の内容について~組合獣医師ってどんな仕事?~
■ 組合獣医師と臨床獣医師の違い
■ 酪農家と組合獣医師はパートナー~酪農家との関係~
■ 組合獣医師の誇り
■ この仕事の魅力


■ 現場に寄り添い、牛群全体の健康を守る仕事
現在はどんな仕事を担当されていますか?
主に酪農家を定期的に訪問し、繁殖検診や飼養管理指導を行っています。乳牛が安定して生乳を出すには
コンスタントに妊娠・出産をすることが必要です。そのために定期健診をして産後の回復状況を診たり、
妊娠しているかどうかエコーで検査したりしています。
獣医師としての仕事だけではなく、酪農指導部の一員として酪農家を支援する業務も行っています。
酪農家へのサポートは一人で行う訳ではなく、鳥取県の農業改良普及所や家畜保健所の職員さんに
同行したり、臨床獣医師にアドバイスをもらったり、飼料メーカーの方に餌の相談をしたりと、
様々なメンバーと協力して行っています。

一日のスケジュールを教えてください
日によって異なりますが大体こんなイメージです。

朝から夕方まで牧場巡回をしていることもたまにあります。
現在、鳥取県内の生乳出荷農家は84戸あり、酪農指導部では地区ごとに担当者を配置し
酪農家の支援を行っています。私は中部にある北栄町を担当していますが、
それ以外の地区にも繁殖検診や検討会などで訪問しています。

■ 「治す」より「防ぐ」へ ― 組合獣医師の視点
 臨床獣医師と比べて、仕事の進め方に違いはありますか?
臨床獣医師とは、動物の病気やけがを診断・治療する獣医師のことです。
※牛の場合、家畜共済診療所や開業の獣医師
臨床獣医師は、「病気になったから来てほしい」という依頼を受けて駆け付けたり、
難産の介助や手術など緊急の仕事が入ったりして、一日の予定が立てられないこともあるそうです。
私たち大山乳業の獣医師は、病気を “防ぐ”ことに重きを置き、自分で組み立てたスケジュールの中で
繁殖検診や牧場訪問などを行っています。そのため、酪農家や関係者と充分に話し合いの時間を持ち、
問題解決のためにじっくりと取り組むことができます。
また、大山乳業は産休・育休が取りやすく、休暇も自分で計画的に取ることができるため、
子育てや私生活でのスケジュールも立てやすいと感じています。

牛群全体の健康を守る上で意識していることは?
色々な牧場に出入りするため、病気のもとになる菌やウイルスを持ち歩かないよう、
靴の消毒と服の交換に特に気をつけています。牛が快適に過ごせるよう、
牧場内の環境(暑さ/寒さ)を良くすることも意識して提案をしています。

■ 酪農家とともに歩む ― パートナーとしてのやりがい
酪農家との関係づくりで大切にしていることは?
一方的に指導するのではなく、対話を重ねて信頼関係を築くことです。
牧場では夫婦、親子、従業員などいろいろな立場の人が働いていて、それぞれの考えや
悩みがあるため、できるだけ関係者全員から話を聞くことを大切にしています。
話を聞いたうえで、必要であればみんなで話し合う場を設けることもありますが、
個人的に話してもらったことは必要以上に口外しないということを大前提としています。

この仕事で「やっていて良かった」と感じる瞬間は?
提案した改善策のおかげで牛の健康状態等が「良くなった」と言ってもらえ、
結果的に酪農家の経営が良くなったときです。酪農家や牧場従業員も色々なタイプがいて、
シャイな人も多いですが、何度か訪問するうちに打ち解けて、
相談などしてもらえるようになったときはとても嬉しいです。

■ チームで支える酪農 ― 組合獣医師としての誇り
他の部署と連携する場面も多いですか?
組合内の様々な部署と連携して日々の業務をしていますが、最近は工場見学担当と協力して
仕事をする機会がありました。大山乳業では工場見学を実施しており、年間約1万人に
ご来場いただいています。見学担当者から、工場・製品のことだけでなく牛や牧場の事も
詳しく伝えられるよう、酪農現場の事をもっと知りたいという相談を受け、
「酪農教育ファームファシリテーター」という資格を一緒に取得しました。
現在は、この資格を活かし、見学に訪れた人に牛・酪農のことをもっと身近に
感じてもらえるような取り組みを進めているそうです。工場見学は消費者と大山乳業の
懸け橋になる大切な場ですので、よりよい見学ができるよう今後も協力していきたいと思っています。
こうして、自分の知識や経験を消費者への発信に繋げていけるのも、組合獣医師業務の魅力だと思います。

最後に、この仕事の魅力を一言で言うと?
私たち組合職員だけでなく、鳥取県職員や臨床獣医師、飼料メーカー等
多くの関係機関が酪農家のサポートをしています。
みんなの目標は「乳牛が快適な環境で暮らし、美味しい生乳をたくさん生産すること」
「酪農という産業がより魅力あるものになり、いつまでも続いていくこと」です。
酪農家に一番近い立場で、同じ目標に向かって頑張っているたくさんの人をつなげていくのが
私たちの役割であり、ここでしかできない大切な仕事だと思っています。

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